パッテンライ!を観ました


5月8日から新宿で上映が始まった「パッテンライ 南の島の水ものがたり」を観てきました。
最終日は6月5日(金)です。

タイトルの「パッテンライ」は、漢字で書くと「八田来」。台湾語で「八田が来た!」という意味で、ドラマの中ではまるで「鬼が来た!」というような使われ方をしていました。灌漑工事が始まった当時は、八田の計画は農民達に「得体の知れない恐ろしいこと」として考えられていたのかもしれません。

この映画は単なる八田のヒーロー伝ではありません。
当時の農民、子ども達の生き様にスポットを当てて話が展開します。父とともに、牛車に乗せた水の樽を運ぶ子ども、英哲(えいてつ)。乾いた大地で作物を育てるには、いくら運んでも足りない「水」。英哲は親に勘当されても、八田の元で土木工事を学ぶ道を選びます。13年の時を経てダムが完成し、縦横無尽に張り巡らされた水路に水が流れていくシーンでは、英哲の幼い弟が「父ちゃん、もう俺たちは水を運ばなくていいんだ!」と叫びます。
人にとって、農業にとって、水がどれほど大切なものなのか、心の底から納得することができました。
そして、「台湾の人は日本人が水利工事をしてくれたことにとても感謝している」と言われた意味が、ようやく腑に落ちました。

水に困ることのない現代の日本。この灌漑工事の意味を、一人でも多くの人に感じて欲しい、と思います。

▼作品情報
パッテンライ(虫プロダクションhttp://www.mushi-pro.co.jp/patten1.html
動画予告(北國新聞サイト)http://www.hokkoku.co.jp/pa-tenrai/
監督 石黒 昇
主題歌 「受け入れて」一青窈

▼上映情報
シネマート新宿
新宿区新宿3丁目13番3号 新宿文化ビル6F・7F
03-5369-2831
●5月24日(日)〜29日(金) 11:00、19:00
●6月1日(月)〜5日(金)11:00